逆光で上手く撮れていないけれど、萩駅舎です。
最初は山陰の駅ではなく、美祢線の駅。復元・補強工事とかをされているらしいけれど、大正14年の開業当時の形を残しています。
これは2015年10月の写真ですが、今年リニューアルしたらしく、今はどう変わっているのかが気になるところです。
ホーム中央付近に改札口がありますが、西側には別で団体の改札口が。
萩駅という名前ですが、今の萩市中心街はこちらではなく隣の東萩駅の方。萩の観光地を回るのも東萩からの方が便利なのか…な…?(そもそもバスの方が発達しており、鉄道で来る人自体が少ないという話もある)
ただこれだけ大きな駅舎になっているということは、過去はこちらの駅が中心になっていたということなんでしょうか?
まるでタイムスリップしたかのような駅舎、この駅舎が見たくてこの駅で降りました。
駅舎自体はかなり大きいのですが、無人駅です。
人の手のあまり入っていない海岸をぼんやり眺める至福の時。
ボックス席の窓側を陣取って窓に張り付いていたわけですが、途中から私の向かい側の席に地元のおばあさんが座られました。
キャリーを持ってスマホで風景を撮りまくる私はどこからどう見ても旅行者だったので、「どこから来られたの?」から始まって暫くそのおばあさんとお話していました。
岐阜から来ました!と言ったら首を傾げられてしまったので、名古屋の近くから来ました!と言ったら分かってもらえてよかったよかった。名古屋県ね、名古屋県岐阜郡だよね、を実感した一瞬であった。
……とかは置いといて、おばあさんには車窓から見える島のこととかを教えていただきました。この日は数駅離れたところにあるスーパーに買い物に行って、その帰りだとのこと。
山陰の中でもすごく本数の少ない区間だけれど、こうやって日常で使われているんだな、という場面を目にすることができてちょっと嬉しかったです。やっぱり地元の方に必要とされてこそ。
そして別れ際、長門市駅で昼ごはんチャレンジに失敗した私がどれだけ飢えた顔を見せていたのか、その日に買ってこられたちくわを手渡してくださいました。もちろん昼ごはんを食べそびれたことなど一言も話していないというのに……どれだけご飯難民オーラを放っていたのだろうか。
ありがたくそのちくわをいただいておばあさんと別れてから早速食べたのですが、空きっ腹にめちゃくちゃ染み渡りました。ちくわがこれほど神々しく思えたのも初めてだ…と言うか海端で、練り物もたくさん作られている地域なのでお腹空いてなくても普通に美味しいちくわだったんだろうと思います。
山陰のあったかみを肌で感じながら、次の目的地の萩まではもうすぐです。
沖の方にいくつも島があるようで、濃淡さまざまのシルエットで連なるさまが本当に綺麗。私が好きな山陰沿線の中でも1、2を争うほどに好きな場所です。
石州瓦の産地付近なだけあって、独特の赤茶色の屋根が続いています。山陽沿線の方にもこんな光景が見えるけれど、これを見ると中国地方に来たなと実感できる風景です。
飯井駅〜三見駅の車窓はビューポイントがいくつもあります。
そしてビューポイントではないけれど、海と踏切と道路と船。海のある生活が日常なんだなと思えるような光景。
自分の非日常は、反面誰かの日常でもある。観光地を巡る旅行ももちろん面白いんだろうけど、敢えて観光地ではない場所に行ってみると、自分の知らない誰かの日常を疑似体験できるような気分にもなって面白いのです。
何で何もないところに出掛けるの?とは聞かれたことがあるけれど、観光地ではないからこそその土地の人たちの日常が色濃く出ている、そんな場所を歩くのが好きです。